しこくまワークショップ

地域とクマの「適正」な関係を考えるために「しこくまワークショップ」を開催します

四国から姿を消してしまうかもしれないツキノワグマ。しかし、その絶滅を防ぐための具体的な手法は確立されていません。一方で、万が一のクマによるトラブルを防ぐ対策も十分に議論されていません。

どちらも軽視できない問題を抱える四国のクマと、我々はこれからどのように向き合っていくべきでしょうか。

この課題に対する解決策を探るために、当プロジェクトでは2026年1月に、国際機関から支援を受け、様々な立場の関係者を集めた「保全計画づくりワークショップ」を開催します。

熊のアイコン

「保全計画づくりワークショップ」とは

自然環境の保全と持続可能な利用を推進する世界最大のネットワークである国際自然保護連合(IUCN)と、その専門家グループのひとつであるCPSG(保全計画専門家グループ)が実施と改善を重ねてきた実践的な絶滅危惧種保全計画づくりの手法です。世界75カ国以上で500種以上の保全計画作成に、この手法が取り入れられ、多くの種の絶滅回避に貢献しています。国内では、ツシマヤマネコ、ヤンバルクイナ等の保全計画が、この手法でつくられました。

※CPSG=Conservation Planning Specialist Group。IUCN種の保全委員会の専門家グループの一つ

「しこくまワークショップ」とは

しこくまワークショップは、CPSGのワークショップ手法を取り入れ、地域住民、産業、専門家、行政、NGOなど多様な立場の人々を集め、四国のツキノワグマの絶滅を回避するための対策を検討しつつ、地域とクマの「適正」な関係を話し合う国際ワークショップです。話し合いの成果は、「行動計画」としてまとめ、各自が実践できる範囲に落とし込みます。しこくまワークショップには一部の専門家や行政機関だけではなく、四国のクマに関わる様々な関係主体に参加いただき、四国における人とクマの関係を考えていきます。

地域とクマの適正な関係性を考える

クマの生息に何らかの影響を受ける人々(地域住民、民間団体、農林業関係者、狩猟者、観光事業者ほか)が四国のクマに求めるそれぞれの考えを出し合います。クマと地域のあるべき将来像を取りまとめ、これに対して各自ができる行動を議論します。

科学的な分析

国内外の研究者や関係者ら約30名が集まり、生態、減少要因、生息地の持続性など、今ある全てのデータを用いて、四国のツキノワグマの存続可能性を検証します。また、社会的な事情を踏まえた生態学的に有効な保全手法について検討します

二頭の熊

人の暮らしとクマの存続が両立する保全計画を策定。

四国ならではの活動の基盤とする

黄色いバー

しこくまワークショップに期待できる効果

黄色いバー

四国のクマに関わるさまざまな視点から検討された保全計画を作ることで、例えば次のような効果が期待できます。

熊のアイコン

四国の豊かな自然のシンボル、ツキノワグマを林業や観光等の産業に活かす

熊のアイコン

四国の森林保全活動を促進し、自然度の高い森林が復元される

熊のアイコン

「地域とクマのよい距離」を定義し、トラブル防止の体制が整備される