保全の取り組み
保全の現状
種への規制
レッドリスト
IUCNレッドリスト:危急種(VU)
環境省レッドリスト:絶滅のおそれのある地域個体群(LP)
徳島県レッドリスト:絶滅危惧ⅠA類(CR)
高知県レッドリスト:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
愛媛県レッドリスト:絶滅危惧ⅠB類(EN)
捕獲規制
1986年に高知県で狩猟禁止措置
1987年に徳島県で狩猟禁止措置
1994年に四国全域で狩猟禁止措置
その他(条例)
高知県指定希少野生動植物
土地の規制
国指定剣山山系鳥獣保護区(11,817 ha)
大規模生息地の保護区として、クマタカ等の猛禽類やツキノワグマ等行動圏が広域に及ぶ大型鳥獣を始めとし、当該区域に生息する多様な鳥獣相の保護を図るために設置されています。
四国山地緑の回廊および隣接する保護林(10,570 ha)
四国森林管理局により、原生的な天然林や貴重な野生動植物の生息・生育地等を保全・管理するための保護林が国有林内に設置されています。また、人間の活動によって分断された野生生物の生息地間をつなぎ、主に動物の移動を可能とすることで生物多様性を確保するために四国山地緑の回廊が設置されています。緑の回廊は保護林を連結できるように設定されており、剣山地区の設定面積は約9,191haで、結ばれる保護林(約1,376ha)を合わせると約10,567haになります。
くくりわなの規制
ニホンジカやイノシシの捕獲に使用される「くくりわな」にツキノワグマが誤って捕まってしまうことがあります。この「錯誤捕獲」が発生すると、その個体の生存だけでなく、捕獲従事者や近くの一般市民にも危険がおよぶ可能性があります。現在のところ四国では発生事例は報告されていません。ツキノワグマの生息地周辺では錯誤捕獲を防止するために、くくりわなの使用を規制あるいは禁止する区域が設けられています。
広域的な取り組み
ツキノワグマ四国個体群の絶滅を回避し、保全していくことを目的として、「鳥獣保護管理法」に基づき公表された「鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針」に基づき、2017年に設置された広域協議会です。国・県・市町の関係機関により構成されます。
ツキノワグマ四国個体群の保護の方向性と基本的な事項を示し、関係機関が連携を強化し、保護施策を改善・拡充することを目的として策定されました。
住民の安全を確保した上で広域保護指針を推進するため、各自治体が必要に応じて適切なツキノワグマ出没対応マニュアルを作成するための手引きとして活用されることを目的として策定されました。